(フェーズ1)ターゲットの具体化
自分が問題を発見し解決したいモノやコトが「ターゲット」になります。ターゲットの問題を発見する準備として、まずは、ターゲットのことを理解します。ターゲットのことは、自分ではよく理解しているつもりかもしれませんが、実際には漠然としか分かっていなかったり、部分的には詳しいけれど他の部分についてはさっぱり理解していないということが良くあります。
そして気を付けなければならないのは「先入観」や「固定観念」です。昔から馴染んでいたり得意分野だと思っているモノゴトは、必ずと言っていいほど「先入観」や「固定観念」を通した目で理解しています。問題発見には、第一に「先入観」や「固定観念」を捨てなければなりません。
ところで、モノゴトを「理解する」というのはどういうことでしょう?表面的な漠然としたイメージでは理解しているとはいえません。イメージを鮮明な事実情報にしていくことが重要です。「具体化」とは漠然とした曖昧なことを細部にまで分解し明確にすることですが「理解する」ためには「具体化」が強力な武器になります。
そして「先入観」や「固定観念」に捕らわれることなく具体化するためには、全方位的に具体化することが重要です。自分の興味のあるところや詳しいところだけを具体化しても、新しい気付きは得られないばかりか、逆に「先入観」や「固定観念」を強化してしまう可能性もあります。
全方位的に具体化するための道標が「4つの特性 」になります。「4つの特性 」ごとに質問に答えることでターゲットを全方位的に具体化します。そのうえで「興味・関心」や「特徴的」なところに焦点をあて、詳細な調査をすすめます。
このフェーズは問題発見を始めるための助走になります。なので「これは改善した方が良い」「これはとても優れているところだ」などの価値判断を行わないことがポイントになります。気持ちをニュートラルにして、あまり考えすぎずに進めます。
Contents
1-1 ターゲットの設定
まずは「ターゲット」を設定します。日頃からチャレンジしてみたいと思っていたり、問題意識を持っているモノゴトがターゲットになります。なので、単純にモノやコトの名称を設定してください。それらをどのようにしたいのかということも、漠然と考えがあるかもしれません。例えば「〇〇を改善したい」とか「今までにない〇〇を実現したい」などです。でも、ここではそれに縛られることなく、発想を広げることが重要なので、対象を示す名称だけ、まずは押さえておきましょう。
検討を進めるうちに、この名称がしっくりこなくなることがあったら、いつでも変更してかまいません。
さあ、それではスタートです!
1-2 広く浅く事実を収集
ターゲットに関する事実を広く浅く収集します。あまり時間をかけずに自分の知っていることや、簡単に調べられる範囲で行います。その時に着目するのが「4つの特性」です。
・ビジネス特性
・空間的特性
・時間的特性
・社会的特性
これらの「特性」は複数の項目に分割されています。項目ごとにターゲットにあてはめて確認し記述していきます。記述する事実は1項目あたり1~2行の短い文章で結構です。様々な観点でターゲットを見つめ直すのが目的なので、長文である必要はありません。正確性も「だいたい」「たぶん」のようなレベルで十分です。1項目について15分以上時間をかけないようにします。 項目によってはターゲットに当てはまらないものも出てきます。その場合は「該当なし(N/A)」として次に進みましょう。 ここでは、 事実情報の断片「リーフ」を出来るだけまんべんなく集めます。
既存のモノゴトをターゲットとする場合は「事実」情報を記述していけばよいのですが、まだ、この世に存在しないモノゴトをターゲットとする場合はそのターゲットが所属する領域や分野についての「事実」情報を収集してください。例えば、今までにない全く新しい「自動車」を構想する場合も「自動車」に関する事実情報を収集します。領域や分野さえ存在せず、新しく構想するような場合には自分で「想定」するもので結構です。
・既存のモノゴトがターゲットの場合:既存のモノゴトにおける「事実」
・今までにないモノゴトがターゲットの場合:所属する領域、分野における「事実」
・既存の領域、分野が存在しない新しいモノゴトがターゲットの場合:構想するモノゴトにおける「想定」
グループで取り組む場合は特性ごとに担当を分け、できるだけその分野に明るい人が行うようにします。「4つの特性」は観点を例示することで、その分野に詳しくない人でもターゲットを把握することができるようにアシストするものです。なので、一人で取り組んでも、もちろん大丈夫です。
面白い観点があれば項目を追加して結構です。読み替えて別の意味として使ったり、カスタマイズしても結構です。自由に活用してください。以下のリンクでは「4つの特性」ごとにターゲットを具体化する際の観点を示します。
1-2-1 ビジネス特性
1-2-2 空間的特性
1-2-3 時間的特性
1-2-4 社会的特性
収集した事実情報は大きめの付箋紙を用意してこれに書き溜めてもいいですし、Excelシートで一覧表のように整理しても結構です。最下位の項目レベル(1-2-X-X-X)にある質問項目(Q1、Q2など)ごとに付箋紙1枚、または、Excel1行が基本です。質問項目に対する回答を書き留めていきます。質問をカスタマイズした場合は変更内容も忘れずに書き留めておきましょう。
1-3 調査範囲の絞り込み
1-2で収集した事実情報は付箋紙やExcel表のかたちで整理されています。整理されているといっても「4つの特性」ごとにグループ分けされているレベルで十分です。
ここまで、ターゲットを全方位的に把握してきました。さらに調査を進めるために、優先順位を付けて調査範囲を絞り込んでいきます。優先順位をつける際の1つの観点は「関心」です。「関心」というのは、興味があり良く知りたいという気持ちのことですが、これは「自分が」そう思うか否かなので主観的な感情です。ですので、自分の主観的な気持ちを優先します。
もう一つの観点は「特徴」です。「特徴」というのは、他と比べて目立っている点、際立っているところです。これはどちらかというと客観的なものですが、判断するのは自分自身なので「これは誰に聞いても特徴的だよなぁ」というものをピックアップします。
1-2で収集した事実情報をこの2つの観点で評価していきます。事実情報の付箋紙1枚、または、Excelの1行ごとに「関心」と「特徴」をポイント付けしていきます。「関心」と「特徴」を各々5点満点で評価します。自身の関心が高いほど、または、特徴が際立っている程、高いポイントを付けるということです。
「関心」はあるけど「特徴」とは言えないものもあると思います。反対に明らかにターゲットの「特徴」ではあるけど特に「関心」はないというものもあるでしょう。もちろん「関心」と「特徴」が一致するものもあると思います。
最下位の項目(1-2-X-X-Xレベル)は55個あるので、基本はこのレベルでポイントを付けていきます。スキップした項目がある場合はこれより減っているかもしれませんし、分割したり追加した項目がある場合は増えている可能性もあります。「関心」「特徴」どちらから始めてもいいのですが、どちらかの評価を始めたら最後まで評価してしまいます。一つの項目で「関心」と「特徴」を同時に評価せず、どちらかの評価が終わったら最初からもう一方の評価を行います。
「関心」と「特徴」のポイントを付け終わったら、各々でポイントの高い順でソートします(付箋紙の場合は「関心」と「特徴」で2回手順を繰り返すか、付箋紙を2セット用意するかです)。ソートしたらポイントの高い順から「関心」と「特徴」各々で5枚(行)ピックアップします。計10枚(行)ピックアップすることになりますが、「関心」と「特徴」どちらもポイントが高いときは、同じ付箋紙(行)が選択される場合があります。この場合、「関心」ポイントと「特徴」ポイントを比べて高い方で採用してください。ポイントが同じ場合は任意でどちらかに分類し、もう一方の次点を繰り上げます。各々で5枚(行)ずつになるようにしてください。同じポイントがたくさんある場合(例えば「関心」ポイント5点のものが10枚あるなど)は、その中でさらに細かなポイントを付けていきます。5.1、5.8など小数点でもいいでしょう。最初の付箋紙の枚数(Excel行数)は100枚(行)の場合もあれば、20枚(行)ということもあるでしょう。この場合もピックアップするのは同じく5枚ずつ(計10枚(行))を目安にしてください。
(フェーズ1)は発散のフェーズになります。特に1-2では様々な観点から事実情報を集めたのでターゲットに関する認識は「混沌」としてきたかもしれません。1-3ではこれを少しクールダウンして方向性を見通します。次はこの当たりを付けた方向に向かって更に調査を進めます。
1-4 関心領域の調査
ここまで「関心領域」が5つ、「特徴領域」についても5つ、計10個が抽出されました。これらについて調査を進めていくことになりますが、ここでの目的はより多面的にターゲットを捉えることです。ターゲットの見方や考え方は決して一種類ではなく様々なはずです。「クルマは移動手段」「SNSは交流ツール」としてだけ捉えていませんか?どんどん発散して気になる枝葉に好奇心を膨らませましょう。そして、ターゲットの本質を論理的に追及することが目的ではないことに注意しましょう。もちろん、調査を通じて論理的な理解が深まることがあれば、それはそれで結構ですが、論理的な理解もターゲットを多面的に理解する一側面というように考えてください。
1-4-1 矛盾や対立の許容
1-3で抽出した「関心領域」について更に調査を進めます。調査を進めていくと、諸々の事柄で「関係」が見えてくることがあります。
「これは、以前調べていたことと同じだ」とか「あの問題はこれが原因になっていたのか」などです。
例えば、フロービジネスかストックビジネスという「収益構造」と変動費中心か固定費中心という「コスト構造」には何か関係がありそうです。
マンション経営は空室が出ないかぎり継続的に収益が上がるストックビジネスです。コストは建築時の初期費用とメンテナンス費用が主なので固定費が中心です。一方、請負型のIT企業の主なコストは人件費なので固定費中心ですが、収益はその時々開発案件から得るので、フロービジネスということになります。開発案件を受託できなければすぐに赤字に転落するIT企業よりマンション経営の方がリスクは少なそうです。このようにコスト構造と収益構造の関係からより深くビジネス特性を把握することができます。
しかしながら、注意したいのは、このように「関係」が綺麗に繋がり論理的に説明できるものばかりではないということです。ある調査結果と別の調査結果で矛盾を感じる場合もあると思います。例えば、あるサービスの目的が「ビジネスの効率化」だったとします。しかし、利用者を詳しく調べてみると、彼らはビジネス上のメリットは全く感じておらず、プライベートの友達作りに効果的だどして、そこに価値を見出していたりします。
このような矛盾や対立を許容してください。フェーズ1は「発散」のフェーズです。無理に辻褄を合わせて論理的に解釈する必要はありません。アナロジカル・デザインでは矛盾や対立もアイデアの種の一つです。むしろ、ターゲットにまつわる矛盾や対立こそ見出してください。
1-4-2 調査方法
1-4-2-1 ネット情報
まずは、何といっても、皆さん大好き「ネット検索」で調べましょう。手軽にコストをかけずに膨大な情報にアクセスできるネットはやはり重要な情報源です。
(論文検索)
NII学術情報ナビゲータ(CiNii)
科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)
google scholar
(特許情報)
特許情報プラットフォーム J-PlatPat
特許庁 特許検索ポータルサイト
(画像検索)
Google画像検索
TinEye
Yandex
(デザイン)
JAPAN DESIGNERS
TECTURE
ネットには様々な情報が集まっていますが、その特徴を理解しておくことも重要です。確かにネットにはあらゆる情報があるのかもしれませんが、私達が実際にたどり着けるのは検索エンジンで抽出されるものに限られます。特に上位表示されるものは「多くの人が閲覧している」情報である可能性が高いです。
そして、ネットは情報の新鮮さが売りなので、多くは「現在」の情報であるということです。もちろん、歴史上の文献も閲覧できますが、それを選択して公開しているのは「現在」の人々です。また、過去の出来事もたくさん閲覧することができますが、それは「現在」のライターが記述したものです。当然ですがインターネットが発明される以前のライターによるものは存在しません。
そして、情報は「断片」として提示されます。前後関係や文脈は多くの場合読み手に任されます。それがネット情報の自由を担保している面もありますが、体系立てた意味を把握するのは自分の検索技術と理解力に任されることになります。
「多くの人が閲覧」している「現在」(ここ20~30年)の情報を「断片」として閲覧できるというところが、ネット情報の特徴であり限界です。
1-4-2-2 図書館に行こう
この限界を補うために、図書館にいきましょう。関心領域はターゲットの製造工程かもしれませんし歴史かもしれませんが、関連する書籍を見つけることができれば、ネットとは全く異なる情報を得られる可能性があります。
書籍はどんなジャンルでも著作者が構想したコンテクスト(文脈)があります。たいていの書籍は1ページ目から順に読んでいくことでこの文脈を理解できるようになっています。ストーリー立てて理解するためには書籍はネット情報より有効です。
そして、図書館では多くの人が興味を持っていない書籍も等しく提供しています。今では誰からも顧みられることのない、歴史の片隅や支流のエピソードについても豊富な情報を得ることができます。ネット情報ほどではありませんが、参考文献から別の書籍を辿ることもでき、情報収集の幅を広げることもできます。半日、図書館で過ごせばきっと新しい観点を発見できるはずです。
図書館で見つからないときや更に時間をかけて調べたいときはAmazonの助けをかりましょう。「ネット」で詰まったら「図書館」。書籍に出てくるキーワードをネットで検索して更に情報を補完していきます。
1-4-2-3 インタビュー
「ネット」や「図書館」で調査を進めても「何か物足りない」「どうしてもこの部分が分からない」というところが残るかもしれません。そのときはインタビューが有効です。
デザイン思考ではユーザーリサーチが特に重要とされていて、その一環としてインタビューが良く行われます。このリサーチを通じてユーザーに「共感」し、そこからインサイトを得るというプロセスを踏みます。
一方、アナロジカル・デザインにおけるリサーチはユーザーに限定したものではありません。抽出した関心領域について知見を持つ人であればどのような立場の人でも構いません。もちろん、ターゲットのユーザーである場合もあるでしょうし、提供側の人もあると思います。また、ターゲットとは直接関係ないけれども、関心領域についての専門家という場合も考えられます。例えば、ビジネス特性から関心領域が抽出された場合はビジネスの専門家に話しを聞くことも有効です。社会特性の場合は法律の専門家から興味深い話しが聞けるかもしれません。
そして重要なのは「共感」を目的にはしないということです。皆さんは1-2で事実情報を収集してから、1-3で関心領域を抽出し、これらについてネット情報や書籍などを通じて様々な知識を得ていると思います。そして、これらの知識に基づいて自分なりの「考え」も持つようになっているかもしれません。
人に話しを聞いてみると、自分の「考え」を裏付けるような肯定的な内容かもしれません。その場合は関心領域の情報を補完するものとして記録します。一方、自分の「考え」とは異なり矛盾や対立を見出すことになるかもしれません。この場合も相手に「共感」して「考え」を修正する必要はありませんし、反対に自分の「考え」に固執してこれを主張する必要もありません。ニュートラルに受け入れます。
自分の「考え」との矛盾や対立はアイデアの種になるので、これを見出すこともインタビューの重要な目的です。いまは「発散」フェーズなので、関心領域について様々な見方、考え方を収集してください。矛盾や対立する情報についても、ここでは「そういう見方がある」ということを認識するだけで十分です。
1-5 特徴領域の調査
1-3で抽出した「特徴領域」についても更に調査を進めます。留意する点や調査方法は「関心領域」と同じですが、ここでは特に特徴領域の調査において留意したいことについて解説します。
1-5-1 特徴が「当たり前」になっている世界を探す
「特徴」というのは、他と比べて目立っている点、際立っているところなので、類似した製品やサービスと比較して際立っている点ということになります。
例えば、クルマに車輪が4つ付いていても特徴にはなりませんが、3つだと特徴と言えます。「トライク」は トライサイクルのことで「3輪の乗り物」という意味です。3輪ということが名前になるほど、クルマの中では特別だということです。
しかし、地面を3点で支えるものは他にもあり「それが当たり前」という世界もあります。カメラの三脚は「3本脚」が当たり前で特徴にはなりません。そして、たいていのものは足の長さが調整でき、どんなに凸凹な地面でも水平にカメラを構えることができます。
さて、トライクは3本脚ということではカメラの三脚と同じで、これがクルマとしては大きな特徴になっていました。しかし、三脚のように「脚を伸縮して」「どんな地面でも水平を保つ」という機能までは持っていません。そんな機能が必要なのか?はたまた実現可能なのか?ということはありますが、「3本脚」の先輩であるカメラの三脚の世界から眺めることで、その特徴を客観的に見ることができるようになります。
もう一つ例をあげてみましょう。最近はホテルのサブスクリプションサービスというのが登場しています。定額で泊まり放題というサービスです。これはホテル業では特徴になりますが、他の業界では当たり前に定額サービスを行っているところがあります。
例えば、賃貸マンションなどは定額で泊まり放題をずっと行ってきました。定額サービスということでは賃貸マンションが先輩です。でも、当たり前ですが賃貸マンションにはホテルのように電話一本で予約して一見客を泊めるようなサービスはありません。
振り返ってホテルのサブスクリプションサービスを見てみると、このサービスを行っているホテルでは通常の宿泊業務も行っているはずです。繁忙期と閑散期がある通常のホテル業務に加え、収益は安定しているけど繁忙期ほどの利益率にならない定額サービスを同居させる。そのことに本当の新しさ・特徴があるのかもしれません。
このようにターゲットの「特徴」として抽出したことが「当たり前」になっている世界を探してみましょう。そして、そこから振り返ってターゲットの特徴を見てみると更に深くて広い調査につながる可能性があります。
1-5-2 本筋を外れても大丈夫
「特徴」としてピックアップしたので調査対象はある程度明確になっていると思います。しかし、ここでは、論理的に分析するのが目的ではありません。一点に絞り込んで、とことん追求するというより、関連する情報や興味深い事柄が見つかったときは、どんどん脇道にそれて調査を続けましょう。
先ほどのカメラの三脚ですが、これには4本脚の「四脚」はありません。それは何故でしょう?
数学的に考えると、3点を通る平面は1つだけ必ず存在します。2点を通る平面は無限に存在するので2点だけでは自立できません。4点を通る平面は必ず存在するとはいえません。机の脚の長さが少しでも違うとガタついてしまうのはこれが原因です。机などは平らな面に置かれ多少のズレは材料の「たわみ」で吸収されてしまい実用上問題ないので4本脚が一般的になっています。しかし、カメラの三脚のように、凸凹のある屋外などで利用されるものを平面に固定する場合は3点で支えるのが合理的なのです。
カメラの三脚は同じ「3本脚」であるトライクの先輩ということで登場したのでした。クルマも三脚も屋外で使われるので、論理的には3本脚が主流になってもよさそうです。でも、実際にはクルマは4輪がメインストリームです。それはなぜでしょう?
というように脇道にそれることで、ターゲットをどんどん客観視するための材料が揃ってきます。
(フェーズ1)のアウトプット
さて、ここまで(フェーズ1)「ターゲットの具体化」を行ってきました。この時点でのアウトプットは「構造化されない調査結果」になります。つまり「混沌」です。
関心領域や特徴領域として抽出した各項目から様々な調査が行われますが、その結果は以下のようになっているのではないでしょうか。
・論理的に分析が進んだ領域
・本筋から外れた脇道の調査
・単なるトピックや断片的な情報
そして、これらの情報には以下のような関係が見出せるかもしれません。
・ある情報を補完したり裏付けになっている関係
・矛盾や対立している関係
もちろん、これ以外にも様々な観点で分類できる情報があるかもしれません。また、それそれの情報の関係も様々だと思います。この時点では整理されていなくて結構です。